Internal smartphone structure shows coating and adhesion roles in compact electronics
高耐熱PVA/PVOHロストコア材で実現する中空・流路一体成形
水系除去に対応する中子材料で、複雑な内部構造の設計自由度を高める
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中子プロセスで、複雑な中空・流路構造を一体成形

Printed circuit board detail suggests resin-related applications in electronics

スマートフォンをはじめとする小型電子機器や精密部品では、高機能化、薄肉化、軽量化に伴い、部品内部に流路や中空構造を設けるニーズが高まっています。一方で、切削、分割、接着、後加工を前提とした従来プロセスでは、工具が届かない内部形状や曲がり流路、分岐構造の再現に制約があり、部品点数や工程数の増加、リーク、寸法ばらつきが課題となる場合があります。

中子プロセスは、成形後に除去可能な中子を用いて、複雑な内部構造を一体成形する方法です。Ultiloc(ウルチロック)™ Pシリーズは、水溶性を有するPVA/PVOH(ポリビニルアルコール樹脂)系ロストコア材でありながら高耐熱性を備え、一般的なPVA/PVOHロストコア材では適用が難しい高温成形領域での中子プロセス検討を支援します。

中子プロセスに求められる高耐熱性・形状保持性・水溶解除去性

Manufacturing equipment represents processing context for polymer material applications

中子プロセスで使用されるロストコア材には、成形時の熱と圧力に耐えながら中子形状を維持し、成形後には部品内部を損なわずに確実に除去できることが求められます。一般的なPVA/PVOHロストコア材は水溶性に優れる一方、耐熱性が課題となりやすく、高温で成形されるエンプラやスーパーエンプラでは、中子の軟化・変形による内部寸法ズレ、中子表面の溶融による荒れた表面の転写、中子樹脂の焼き付きによる除去時間の長期化が工程上の課題になる場合があります。

樹脂射出成形では200〜250℃程度の溶融樹脂に曝されるケースもあり、用途によってはさらに高い熱履歴を考慮する必要があります。微細・薄肉構造では±0.05mm級の寸法安定性も重要となるため、耐熱性、機械的強度、水溶解除去性のバランスが、中子プロセスの成立性と量産安定性を左右します。

高耐熱PVA/PVOHロストコア材で、中子プロセスの適用範囲を拡大

Colored polymer pellets represent materials for resin formulation studies

Ultiloc™ Pシリーズの大きな特長は、水溶性PVA/PVOH系材料でありながら、高耐熱性を備えている点です。一般的なPVA/PVOHロストコア材では、成形時の熱により中子が変形しやすく、高温成形材料への適用が制限される場合があります。

Ultiloc™ Pシリーズは、耐熱性、形状保持性、水溶解除去性をバランスよく設計することで、中子プロセスにおける「熱で変形しにくいこと」と「成形後に水系処理で除去しやすいこと」の両立を支援します。これにより、切削や分割・接着では制約を受けやすい曲がり流路、分岐構造、複雑な中空形状を一体成形しやすくなり、内部構造のデザイン自由度を高めやすくなります。また、水溶性であるため、溶剤を使わない除去プロセスの検討にもつながり、環境配慮型の成形プロセス設計に貢献します。

成形温度と除去条件に応じた材料選定

Clean white layout frames resin material information sections

Ultiloc™ Pシリーズは、成形材料の種類や温度域、中空構造の複雑さ、除去条件に応じて選定できるPVA/PVOH系ロストコア材です。比較的低温域で成形される3Dプリンティング、金属射出成型(MIM)や汎用樹脂から、中温域のエンプラ、高温成形が必要なスーパーエンプラまで、要求される耐熱性や形状保持性に応じて適したグレードを検討できます。特に、一般的なPVA/PVOH系ロストコア材では耐熱面で適用が難しい領域に対して、高耐熱設計の材料を選定できることは、Ultiloc™ Pシリーズの特徴です。

一方で、同じ成形材料であっても、肉厚、流路長、開口部の有無、内部形状の複雑さ、除去温度、除去時間の制約によって最適な材料設計は変わります。成形材料、成形温度、内部形状、除去条件を共有いただくことで、用途に応じたグレードをご提案します。

複雑流路部品への活用シーン

Material data screen supports functional resin evaluation and selection

Ultiloc™ Pシリーズは、内部に曲がりや分岐を含む連続流路を持つ一体成形部品など、従来工法では設計自由度や工程安定性に制約が生じやすい用途での活用が期待できます。例えば、圧損を抑えた滑らかな流路形状と部品点数削減を両立したい場合、切削や分割・接着を前提としたプロセスでは、工具到達範囲の制約により流路R、曲率、分岐形状に限界が生じるほか、接着部からのリーク、内部公差のばらつき、後加工工程の増加が課題となります。

Ultiloc™ Pシリーズを中子として事前成形し、その周囲をオーバーモールドした後に水系処理で溶解除去することで、複雑な内部流路や中空構造を一体成形しやすくなります。これにより、設計自由度の向上、組立起因リスクの低減、工程簡略化に貢献し、高温成形材への適用可能性と環境配慮型プロセスの両面から、内部構造設計の選択肢を広げます。

Q&A よくあるご質問

Q. Ultiloc™ Pシリーズの一番の強みは何ですか?
A. 最大の強みは、PVA/PVOH系ロストコア材でありながら高耐熱性を備えている点です。一般的なPVA/PVOHロストコア材は水溶性に優れる一方で、成形時の熱に対する耐性が課題となる場合があります。Ultiloc™ Pシリーズは、高耐熱性と水溶解除去性の両立により、中子プロセスにおける適用範囲の拡大に貢献します。

Q. 中子プロセスではどのように使用しますか?
A. Ultiloc™ Pシリーズを中子として事前成形し、その周囲に樹脂やペースト材料をオーバーモールドします。成形後、中子を水系処理または温水処理で溶解除去することで、内部流路や中空構造を形成します。コア成形、オーバーモールド、コア除去というプロセスにより、切削や分割・接着では形成しにくい複雑な内部構造の一体成形を検討できます。

Q. 一般的なPVA/PVOHロストコア材との違いは何ですか?
A. 一般的なPVA/PVOHロストコア材は、水溶性に優れる一方で、耐熱性が不足すると高温成形時に変形や寸法ズレが発生する可能性があります。Ultiloc™ Pシリーズは、高耐熱性を重視したPVA/PVOH系ロストコア材として、エンプラやスーパーエンプラなど、より高い成形温度が求められる用途への適用を検討しやすい点が特長です。

Q. 中子プロセスの他の成形・加工プロセスと比べたメリットは何ですか?
A. 切削や分割・接着では、工具到達範囲や接着工程の制約により、曲がり流路、分岐構造、複雑な中空形状の設計自由度に限界が生じます。中子プロセスでは、除去可能な中子を使って内部構造をあらかじめ成形できるため、他の成形・加工プロセスに比べて複雑な内部形状を設計しやすい点がメリットです。

Q. 水溶性であることのメリットは何ですか?
A. 水溶性であるため、成形後の中子を水系処理で除去できます。これにより、溶剤を使用する除去プロセスに比べて、環境負荷や作業負荷の低減に貢献します。また、内部流路のように工具や手作業で除去しにくい形状でも、条件が適合すれば水系処理による除去を検討できます。

Q. どのグレードを選べばよいですか?
A. 最適なタイプは、成形材料の種類、成形温度、部品の肉厚、流路長、内部形状の複雑さ、開口部の有無、除去温度や除去時間の制約によって変わります。比較的低温域の汎用樹脂、中温域のエンプラ、高温成形が必要なスーパーエンプラでは、中子材料に求められる耐熱性や形状保持性が異なるため、用途条件に応じた選定が重要です。Ultiloc™ Pシリーズでは、要求温度域や除去条件に合わせた複数の選択肢をご提案できます。具体的な材料選定は、成形条件と除去プロセスを確認したうえでご案内しますので、設計初期段階からの技術相談をおすすめします。