機能性ペーストは、金属粉やセラミック粉などの機能性フィラーに、溶剤、バインダー、添加剤などを配合した印刷用材料です。電子部品や各種機能層の製造において、スクリーン印刷やグラビア印刷などで基材上に所定のパターンを形成するために使用されます。バインダーは、ペースト中の粉末をつなぐ樹脂成分です。印刷に適した流動性の調整に加え、乾燥後のパターン形状、膜強度、基材への接着性などを支えます。積層部材では、熱圧着時の層間接着性や、カット工程における積層体の取り扱いやすさにも関わります。
S-LEC™ Sシリーズは、こうした機能性ペーストに使用する特殊変性PVBバインダーです。PVBが持つ溶剤溶解性、無機材料への密着性、膜形成性を活かしながら、印刷時の糸切れやパターン形状の保持、乾燥後の膜形成、ファインセラミックスのグリーンシートへの接着、積層・カット工程までを考慮して設計されています。グレードによって基本特性や溶剤適性が異なるため、詳しい特性と比較データはグレード別カタログでご確認ください。
スクリーン印刷やグラビア印刷では、版離れ後の糸引きや液跳ね、線幅の変化、輪郭の乱れ、表面の不均一が、印刷品質や後工程へ影響する場合があります。一般的なPVBは膜強度や接着性を得やすい一方、樹脂濃度や溶剤、粉体の状態、印刷条件によっては、樹脂の伸長挙動に起因する糸引きが課題となります。
S-LEC™ Sシリーズは、PVBの接着性と膜形成性を活かしながら、印刷時の伸長挙動やレオロジー特性を考慮して設計されています。当社所定条件による樹脂シート評価では、エチルセルロースとの比較で密着力3.6倍以上、ひずみ3倍以上を示しました。印刷から積層・カットまでを一連の工程として捉え、接着性と取り扱いやすさを両立する材料設計を提案します。
機能性ペーストに適したバインダーは、溶剤への溶解性だけでは判断できません。粉体の種類や粒径、固形分、樹脂濃度、必要粘度、印刷方式、乾燥条件によって、求められる流動性や膜特性が異なるためです。材料選定では、調製時の溶けやすさ、保管中の粘度変化、粉体配合後の流動性、印刷後の形状保持、基材への密着性などを総合的に確認する必要があります。
S-LEC™ Sシリーズでは、低極性溶剤を含む複数の溶剤系や、多様な配合・印刷条件を想定したグレードを用意しています。まずはグレード別カタログで特性を比較し、お客様の配合・工程条件に適した評価候補をご検討ください。
S-LEC™ Sシリーズは、金属粉やセラミック粉などの機能性フィラーを、溶剤とともにペースト化する際に使用するバインダーです。代表的な用途の一つが、MLCC内部電極を形成する導電性ペーストです。印刷時の流動性や糸切れ、パターン形状の保持に加え、誘電体グリーンシートへの接着性や、積層・カット工程に必要な膜特性を支えます。
これらの特性を活かし、導電性インク、電池材料、太陽電池、センサー、積層部材、3Dプリンティング材料など、さまざまな機能性ペーストへの展開をご提案します。用途や使用条件に合わせて、フィラー、溶剤、印刷方式、乾燥・熱処理条件を確認し、候補グレードと評価方法をご案内します。
機能性ペーストにおけるバインダーは、粉末をつないで印刷可能な状態にし、乾燥後の膜形状や強度、基材への接着性を支える材料です。適切なバインダーは、使用するフィラーや溶剤、印刷方式、乾燥・焼成条件によって異なります。
エチルセルロースは、粘度やチキソ性を調整しやすく、既存のスクリーン印刷処方を活用する場合の選択肢です。一般的なPVBは、無機材料への密着性、膜形成性、膜強度を重視する用途で検討されます。アクリル系バインダーは、熱分解性や焼成後の残渣低減を重視する場合の選択肢となります。
S-LEC™ Sシリーズは、PVBの接着性と膜形成性を活かしながら、印刷時の糸切れ、パターン形状の保持、積層工程での接着性をバランスよく評価したい用途に適しています。現在の配合、印刷条件、工程上の課題をご共有いただければ、候補グレードをご提案します。まずはサンプルを使用し、実際の配合と工程条件でご評価ください。
Q. どのような溶剤に使用できますか?
A. 対象材料は、アルコール系、エステル系、ケトン系、高沸点溶剤など、幅広い溶剤への溶解性を備えています。ただし、使用可否はグレードや溶剤組成によって異なります。使用予定の溶剤をご共有いただければ、適合性を確認します。
Q. スクリーン印刷とグラビア印刷の両方に使用できますか?
A. 両方の印刷方式に対応する候補があります。ただし、必要な粘度や流動性は、粉体、固形分、溶剤、印刷版、印刷速度などによって異なります。実際の配合と印刷条件を確認したうえで候補をご提案します。
Q. 糸引きはどのように評価しますか?
A. 溶剤、樹脂濃度、粉体、固形分に加え、印刷版、ギャップ、スキージ速度、印圧などを含めて評価します。実際の設備に近い条件で、糸の長さや切れるまでの時間、パターン形状などを比較することが重要です。
Q. エチルセルロースとは何が違いますか?
A. エチルセルロースは、粘度やチキソ性を調整しやすい材料です。S-LEC™ Sシリーズは、印刷適性に加えて、無機材料への密着性、膜強度、積層工程への適性をあわせて評価したい場合の候補となります。
Q. 既存のエチルセルロース処方から置き換えられますか?
A. 同じ添加量で単純に置き換えられるとは限りません。樹脂濃度、溶剤組成、粉体量、粘度、乾燥条件、印刷条件などの調整が必要です。現在の処方と課題をご共有いただければ、評価の進め方をご提案します。
Q. どのような機能性ペーストに使用できますか?
A. 金属粉、セラミック粉、その他の機能性フィラーを含むペーストでも評価できます。適用可能性は、フィラーの種類・粒径、溶剤、印刷方式、乾燥・熱処理条件によって異なるため、個別の確認が必要です。
Q. どの材料を選べばよいですか?
A. 粉体、溶剤、固形分、必要粘度、印刷方式、乾燥条件、求める膜特性などによって候補が異なります。使用条件と現在の課題をご共有いただければ、評価候補を選定します。
Q. サンプルを依頼できますか?
A. サンプル提供については個別にご相談ください。用途、粉体、溶剤、現行バインダー、印刷方式、熱処理条件、解決したい課題をご共有いただくと、候補選定と提供可否の確認がスムーズです。