SOFC Laboratory-scale equipment displayed with molecular structure and formulation graphics
SOFC/SOECセル製造の成形・積層・脱脂課題に応えるバインダー
セル構造、成形方法、焼成雰囲気に合わせ、PVB・特殊アクリルから候補材料と評価方法をご提案します。
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SOFC/SOECセル製造で生じる成形・積層・脱脂の課題

Multilayer ceramic structure showing pathways through functional material layers

SOFC(固体酸化物形燃料電池)/SOEC(固体酸化物形電解セル)では、セラミックスや電極材料を含むスラリーをシート成形またはスクリーン印刷し、乾燥、積層、脱脂・焼成へ進めます。セル構造や支持層、膜厚、焼成雰囲気が異なると、バインダーに求められる特性も変わります。

大面積または薄いグリーンシートでは、乾燥時や搬送時のクラックを抑える強度と変形追従性が重要です。印刷積層では、印刷適性に加え、層間密着性と脱脂時のガス発生に配慮する必要があります。さらに金属支持型など不活性雰囲気で焼成する工程では、残留炭素の抑制も重要な評価項目です。

積水化学は、PVBのS-LEC™ B/SVシリーズと特殊アクリルのS-LEC™ ASシリーズを通じ、工程条件に応じた材料選定と評価をご支援します。

セル構造・製造プロセスごとに異なるバインダーの要求特性

Layered porous structure illustrating material transport and energy generation

バインダー選定では、樹脂単体の強度や分解温度だけでなく、粉体、溶剤、可塑剤、固形分、成形方法、乾燥条件、積層条件、焼成雰囲気との組み合わせを確認する必要があります。電解質支持型のシート成形では、乾燥後のグリーン強度と変形追従性が、クラックや搬送時の破損を抑えるうえで重要です。

アノード支持型などのスクリーン印刷積層では、レベリング性、層間密着性、シートへの影響、脱脂挙動を総合的に評価します。金属支持型や低温側での脱脂が求められる工程では、不活性雰囲気における分解挙動と残留物の確認が欠かせません。目標膜厚や工程条件を起点に、優先すべき評価項目を整理することが、効率的な材料選定につながります。

PVB・特殊アクリルの材料設計とプロセス提案

Cleanroom workflow supporting quality assurance and process improvement

SEKIS積水化学は、シート成形、印刷積層、脱脂・焼成で重視される特性に応じ、PVBと特殊アクリルから候補材料をご提案します。
 
S-LEC™ Bシリーズは、重合度や組成の異なるラインアップを活かし、グリーンシートの強度、変形追従性、ハンドリング性を考慮した設計に対応します。S-LEC™ SVシリーズは、スクリーン印刷積層で求められる層間密着性と低残炭性の両立を狙ったPVBです。S-LEC™ ASシリーズは、成形体の取り扱いに必要なグリーン強度を保ちながら、低温側からの分解を目指した特殊アクリルです。材料を紹介するだけでなく、粉体、溶剤、固形分、乾燥・焼成条件を確認し、優先評価項目の整理、候補選定、評価結果に応じた見直しまで支援します。

セル構造・工程条件から候補シリーズを選ぶ

Laboratory dishes display powdered materials for resin application studies

候補材料は、セル構造だけで決めるのではなく、対象層、成形方法、目標膜厚、焼成雰囲気、密着性、許容残留物を組み合わせて選定します。大面積・薄層のグリーンシートではS-LEC™ Bシリーズを起点に、乾燥後の強度、変形追従性、搬送時の扱いやすさを確認します。スクリーン印刷積層ではS-LEC™ SVシリーズを候補とし、印刷形状、層間密着、シートへの影響、脱脂後の状態を総合評価します。不活性雰囲気や低温側での分解を重視する場合はS-LEC™ ASシリーズを候補とし、TGAや焼成後の残留物を確認します。

選定表で自社工程に近い候補を把握いただき、相談時に材料・工程条件を共有いただくことで、評価初期から条件を絞り込みやすくなります。

セル構造/工程 主な課題 候補シリーズ 主な評価項目
電解質支持型など/シート成形 クラック、ハンドリング S-LEC™ B 強度、破断ひずみ、乾燥後外観
アノード支持型など/印刷積層 層間密着、残留物 S-LEC™ SV 印刷形状、タック、TGA、焼成後外観
金属支持型/不活性雰囲気 残留炭素、低温脱脂 S-LEC™ AS 大気・N2下 TGA、強度、焼成後残留物
SOEC・低温作動セル等 レベリング性と脱脂性 S-LEC™ AS 適用データと工程条件の個別確認

代表評価データから見るシリーズの特長

Technical discussion supports resin processing equipment evaluation

材料の価値を判断するには、特長の説明だけでなく、評価方法、比較対象、試験条件を含むデータの確認が重要です。S-LEC™ Bシリーズでは、代表グレードの引張試験から、破断強度と破断ひずみのバランスが異なることを示しており、シートに必要な強度と変形追従性に応じた候補選定に活用できます。S-LEC™ SVシリーズでは、タック試験によるエチルセルロースとの層間密着性比較と、TGAによる残留量の評価例があります。S-LEC™ ASシリーズでは、引張試験と大気・窒素雰囲気下のTGAにより、グリーン強度と分解挙動を確認しています。

代表データを初期選定に用い、実際のスラリーと工程で再評価することで、材料変更に伴うリスクを抑えながら検討を進められます。

水系PVBを活用したセラミックス造粒プロセスの提案

White material sample supports formulation studies for functional resin development

電極の多孔質構造を検討する際は、造孔剤の種類や添加量だけでなく、セラミックス粉体の造粒状態と成形条件から設計するアプローチも考えられます。水系PVBのS-LEC™ KWシリーズをバインダーとして微粉体を造粒し、造粒体を成形することで、粒子間の空隙を活用した構造設計を検討できます。造孔剤との併用も含め、樹脂量、造粒径、成形圧、脱脂・焼成条件を調整できるため、成形体の取り扱いやすさ、分解ガス量、焼成後の空孔状態を総合的に評価できる点が価値です。

適用可能性は対象粉体や要求構造によって異なるため、現在の粉体、造孔方法、成形条件、目標とする空孔特性を確認し、評価方針をご提案します。

Q&A よくあるご質問

Q. どのシリーズから検討すればよいですか?
A. シート成形ではS-LEC™ B、スクリーン印刷積層ではS-LEC™ SV、不活性雰囲気や低温側からの分解を重視する場合はS-LEC™ ASが主な候補です。ただし、最終的な選定は粉体、溶剤、固形分、膜厚、乾燥・焼成条件によって異なります。

Q. 薄膜化できる膜厚を教えてください。
A. 達成可能な膜厚は、粉体粒径、スラリー処方、成形方法、乾燥条件、支持体、測定方法によって変わります。目標膜厚と工程条件を伺ったうえで評価方法をご提案します。

Q. 窒素雰囲気で使用できますか?
A. S-LEC™ ASシリーズには、不活性雰囲気における分解挙動を評価した材料があります。適用可否は、昇温速度、保持時間、ガス流量、共存成分などの影響を受けるため、お客様の焼成プロファイルに沿った確認が必要です。

Q. エチルセルロースから置き換えられますか?
A. S-LEC™ SVシリーズでは、当社条件下でエチルセルロースと比較した積層密着性と熱重量測定の評価例があります。ただし、溶解性、粘度、印刷形状、乾燥性なども変わるため、単純置換ではなく処方と工程を含めて評価します。

Q. サンプル相談時に必要な情報は何ですか?
A. セル構造、対象層、粉体・溶剤、固形分、成形または印刷方法、目標膜厚、乾燥条件、焼成雰囲気・温度プロファイル、現在の不具合をご共有ください。情報が揃っているほど、候補材料と評価項目を具体化しやすくなります。